まずは動画をご覧下さい
小学生の低学年ぐらいまでは良く見るシーンです。
単純に「遠くから打てば?」と言いたいとこですが
それは子供にとって解決法になりません。
理由は簡単です。
1、単純に幼少期は距離感をつかめない
2、相手も動くことを想定していない
3、自分の間合いを把握していない
子供はあなたが考えている以上に
単純なのです。
単純=素直
素直だからこそキチンと教えてあげれば
劇的成長が可能です。
具体的な改善法
1、竹刀の打つ位置を再確認させる
面の打突部位は分かっていても
中結から先で打つことをイメージしていない子が沢山います
竹刀で叩くイメージを持たせず
「刃先で切る」ぐらいのイメージを持たせてください
2、踏み込んで(一歩で)打てる間合いを覚えさせる
ちびっ子剣士の試合を見ると
「やぁ~メーン」
「やぁ~コテ~」
お互いが単発打ちの繰り返しで
行ったり来たり
しかも互いに根元で・・・
これを改善させるのは
構えた状態(静止)から打たせる練習を何度もやらせる
いざ、やらせてみると面白いほどできません
ほんの少しだけ一歩踏み出してから打ち始めたり
手と足がバラバラになったり
意外とできないからこそ
身に付ければ格段にレベルアップします
そして大切なことは
その場、踏込みを教えた時に左足の引きつけにも注意をさせて下さい
引きつけが完了して一動作です
これを注意することで後々の連続技や返し技につながります
相手がいなくてもできる練習です
キーワードは「一動作」です
間合いを把握させる
まず大人でも勘違いしている
間合いの定義を知りましょう
剣道における間合いについて
(全日本剣道連盟の講習会資料原文のまま)
「間合」とは、自分と相手との距離(空間的)である。
(1)「一足一刀の間合」とは剣道の基本の間合で、1歩踏み込めば相手を打突できる距離であり、1歩退がれば相手の攻撃をかわすことのできる距離である
(2)「遠い間合」(遠間)とは、相手との距離が「一足一刀の間合」より遠い間合で、相手が打ち込んできてもとどかないが自分の攻撃もとどかない距離で、試合などで知らない相手の動きを見る場合などに用いられる。
(3)「近い間合」(近間)とは、相手との距離が「一足一刀の間合」より近い間合で、相手の打ちが容易にとどくかわりに相手の攻撃もとどく距離である。
簡単に間合いと言っても3種類があります
指導者でも
「間合いが近すぎる・遠すぎるからダメだ」なんて
注意をしていますが
上記の定義からすると
近間間合い
遠間間合いがあるので
「近い間合いはダメだ」という表現が適切です
話は横に逸れましたが
子供に用語の意味を教えるよりも
実体験・実戦から学んでもらうことが大切です
その場踏込みができるようになれば
今度は相手に立ってもらい
その場踏込みを距離別に試させます
最初は相手に竹刀を持たせず
「距離感覚」を覚えさせます
これは大人でも試すと分かりますが
相手が竹刀を持って構えていないと
違和感があって距離がつかめません
ここはそこまで微妙なラインで特訓しなくて大丈夫です
あくまで相手の竹刀がどれだけ間合いと関係しているのかを
感じてもらうのが目的です
これで一足一刀(いっそくいっとう)の間合いが理解できるようになります
相手がいることを認識させる
以上の練習(稽古)だけを何度かやり
いよいよ合面(あいめん)をやらせます
※相面と書くかたもいますが私は合面を使用します
しばらく一足一刀の間合いだけを稽古した子は
相手に対して心の中で
「動くなよ~」「向かってくるなよ~」
お互いが一足一刀の間合いから打てば
ここで初めて
「実戦では当たらない」とわかります
もう一つは
「やぁ~メーン」が
「やー面」に変わります
一動作で打つるようになったのだから
「やぁ~」と言いながらパタパタと進みながら打ちません
一足一刀を習得すると合面で勝つようになります
相手がパタパタ面であれば
「ズドン」と一発で決めることができるようになります
この一連の練習は
大勢の反復練習より
個人レッスンで行えば早く身につけることができます