2020年のオリンピックの話が盛り上がりました
そのような中では
当然、剣道はどうなの?
という議論があちらこちらで聞こえます
私なりの見解を書きます
この話でキーになるのは
1、武道精神
2、ルール
私は賛成派なのか反対派なのか
今は90%反対派で
5年後は90%賛成派になる気がしています
理由は簡単です
子供が日本一を目指しているからです
私がよく周囲に言われていることがあります
「子供が剣道をやっている」
↓
「剣道は食えないからな~」
剣道が強くとも警察官ぐらいしか道がないと思っているのです
現実的にも全日本レベルの選手はその道を選ぶケースが多いです
私の考えは
食える食えないは関係ありません
サッカーだろうが野球だろが
職業にできる可能性は
人口から考えて
剣道よりもっと低いと思えます
プロ野球選手になるのは
弁護士になるよりも難しいと
言われています(競争率で)
剣道は武道であり
勝ち負けを争うものではない
という大前提があります
柔道もJUDOになるまでは
同じ土俵にいたはずです
それが今や勝利が決まった瞬間に
大きくガッツポーズをしても
違和感がありません
ガッツポーズは非礼行為
ご存知の通り剣道界での
ガッツポーズは御法度です
相手に対しての非礼行為とみなされます
剣道もKENDOとなれば自然とそうなってしまいます
悪い意味で表現をしているのではなく
オリンピックは競技(勝負)であり
メダルを目指すのですから
勝利するのが目的となれば
武道精神よりもポイントが優先されます
剣道の試合は
「試し合い」であり
日頃の鍛錬の成果を試す機会であり
負けることで相手に弱点を教えてもらえる
勝てば相手がいたことに感謝ができ
負けても感謝ができる
この武道精神がオリンピックに参加することにより
根底から崩れます
いや、崩さなければ競技になりません
私自身はオリンピック種目となっても
この武道精神の継承をしてほしいのですが
正式種目に決定した時には
世界中で剣道人口が増えるでしょう
そうなった時には
各国でなんちゃって指導者の下で稽古をし
独特の剣道が生まれてしまい
その剣道同士が試合をした時には
判定の問題が出てくるでしょう
ルールについては
武道精神より厄介な議論になるかもしれません
国内の試合であっても
絶えず審判批判がついてまわります
高齢高段者が審判をすれば
「見えていない」
一般有段者だと
「経験が浅い」
私が問題にしているのは
国民性や人間性の問題ではなくて
他の競技と違ってポイントが明確ではないことです
もっと言えば
有効打突・一本が曖昧なのです
それもそのはずです
残心なるものが存在するからです
これが世界の競技になった時には
一番のネックとなるでしょう
ビデオ判定で
「先に当たった」
「打突部位が外れていた」
なんてことは簡単に判断できますが
残心があった、無かったなんて
諸外国で理解がされるのか
ここは本当に難しいと思います
柔道のようにルール変更を余儀なくされるでしょう
勝ちに執着し
残心判定がない(できない)
オリンピックKENDOは20年後にタイムスリップしたら
電飾面とコード付き竹刀となっていそうです
ここまで書いた中では
剣道のオリンピック参加は
完全反対派のように思われそうですが
実は私はそうでもないのです
10代の息子が
県チャンピオンになった時に
フト思ったのです
オリンピック競技にあれば
出場候補生になれるのでは?と
目指すところは日本一です
現状、剣道の日本一は世界一といっても
過言ではないでしょう
いわば
「金メダリスト」です
これは、子供がいるからそういう気持ちに至ったのです
環境によって賛否が別れるのです
空手が種目に決まった時には
子供の習い事の選択に悩んでいる親はどう思うでしょう
「うちの子は柔道って体格ではないな~」
「剣道も良いけど将来に役立つかな~」
「ん?空手ならばもしかしたらオリンピックに出れる?」
なんて感覚かもしれません
剣道人口を増やすならば
オリンピックに参加するのが
特効薬だと思いますが
武道精神が犠牲になります
参加が決まれば
武道精神が薄れた剣道を習うのが
これからの子供たちです
長くなりましたが
直近の問題として
審判批判があるうちはオリンピック参加は困難でしょう